「一を聞いて十を理解する」を実践できる人物に会ったことは無いが、それに近しい人々は居た。
相手の言葉の上部を読み解くのではなく、相手の立場になって求めることを理解しようとする人々だった。
故に要望が通じやすい。
言葉を額面通りに受け取るばかりでは、これに至らないのは必然である。
一で十にするようなことに近づくには、相手の話を聞きながら、いくつもの話のオチを予測し、相手の求めている方向を定めるためにうまく聞き出して、その予測の精度を高めていけば良いだろう。
そのためには、多くの知識、経験が必要で、偏見は捨てるべきであることは、想像しなくてもわかることだろう。
と、彼は言っていた。